見積のAIは、自社の注文20〜30件で測って選ぶ


- 公開された実証では、注文書を読むAIは初期設定のままで24%、帳票ごとの調整を足して約9割でした。正しく処理できた割合は、2つの数字を分けて聞きます。
- 決め手はカタログやデモの数字でなく、自社に届いた依頼20〜30件で測った数字です。
- 読み取りだけでなく、品番への読み替え・単価の当てはめ・登録までを通した時間で、今のやり方と比べます。
「約9割」は、どう読めばよいですか
初期設定のままの値と、帳票ごとに調整した後の値を分けて聞きます。公開された実証では、24%と65%を足して約9割でした。
受注業務向けのAIを提供する会社が、2026年8月に実証の結果を発表しています。食品メーカーに届いたFAXの注文書338枚(85種類の帳票のうち52種類)を読ませたものです。
| 内訳 | 割合 |
|---|---|
| 初期設定のままで正しく処理できた | 24% |
| 帳票ごとの調整で加わった | 65% |
| さらに確認や調整が要る | 11% |
発表は合わせて約9割を「自動化可能」と評価しています。ただ、約9割のうち65ポイントは帳票ごとの調整で生まれた数字です。33種類の帳票は検証の対象外でした。
調整を誰がするか、何日かかるか、追加の費用がかかるかで、始めるまでの手間は大きく変わります。
正しく読める割合が上がれば、安心して使えますか
正しく読める割合が何%でも、間違いはどこかに残ります。安心して使えるかは、間違いを人が見つけて直す手順が決まっているかで決まります。
中小企業庁の2022年の報告書には、FAXの読み取りを検討している卸の声が載っています。100点が取れないので先に進めない、95点でも残りの5点を考えると投資に見合うか微妙だ、という声です。
AIが作るのは下書きまでにして、人が承認してから見積を出します。そのうえで、迷った行に印が付くか、誰が承認したかの記録が残るかを確かめます。印の付いた行だけを見れば済むなら、100点でなくても、確かめる手間は減ります。
自社の注文で、どう測ればよいですか
2〜4週間で、今の手間を数え、同じ依頼でAIを試し、結果を並べて比べます。

集める依頼には手書き、略し方、写真、表計算など、よく来る形をまぜます。きれいな依頼だけで測ると、実際より高い数字が出ます。
時間は読み取りだけでなく、受付・品番への読み替え・単価の当てはめ・登録・確認と修正までを工程ごとに測ります。ここで得た数字は販売管理や読み取りの会社と話すときにも、そのまま比べる材料になります。
今週できること
1過去の依頼を集める
先月届いた見積依頼から、形の違うものを20〜30件選んで1つのフォルダに入れます。
21件の時間を測る
依頼を1件受けてから見積を出すまでの時間を、工程ごとにメモします。
3候補の会社に聞く
初期設定のままの結果と、調整した後の結果を分けて、調整にかかる日数と費用も聞きます。
よくある質問
20〜30件で足りますか。
最初の見極めには足ります。よく来る形がまざっていることの方が、件数より大事です。
社外に注文を出しても大丈夫ですか。
得意先の名前や金額が入るので、預けた情報をどこに置き、何に使うかを契約の前に確かめます。
調整は、自社でする必要がありますか。
製品によって違います。誰が、何日で、いくらでするのかを、比べる項目に入れます。
